NVDA 2019.2jp をリリース

無料(オープンソース)の Windows 用スクリーンリーダー NVDA (NonVisual Desktop Access) の 日本における開発コミュニティである NVDA 日本語チームは、 2019年8月15日に NVDA 2019.2jp をリリースしました。

インストーラーのダウンロードはこちらからどうぞ:

i.nvda.jp

GitHub リリースも利用できます。

Windows 10, 8.1, 8, 7(SP1) の32ビット版および 64ビット版に対応しています。 Windows 8 以降ではタッチ操作が利用できます。 NVDA 日本語版のライセンスは GPL v2 です。

NVDA は多くのアプリに対応し、 インストール不要で利用できるポータブル版、 アドオンによる機能拡張など、さまざまな特長を備えています。

NVDA 日本語チームがリリースする NVDA 日本語版は、 オーストラリアの非営利法人 NV Access がリリースする NVDA 本家版に 日本語の音声エンジンと点訳エンジンを追加するなど、 日本語 Windows 環境のための改良を行っています。

2019.2の変更点

NVDA 2019.2 で修正された内容は以下の通りです。

  • OneCore 音声で「高速読み上げ」が可能に
  • ページ読み込み時にブラウズモードを有効にしないオプションの導入
  • 「句読点/記号読み辞書」がフィルターで絞り込み可能に
  • Freedom Scientific 点字ディスプレイのドライバー更新
  • その他バグ修正

2019.2jpの変更点

  • Windows 10 クリップボード履歴の読み上げが行えない不具合を修正しました。
  • Windows 10 Insider Preview で導入されている新しい Microsoft 日本語 IME への対応をいったんキャンセルしました。前のバージョンと同じ動作にしたい場合は GitHub の議論を参照してください。

NVDA 2019.3 以降について

NVDA 2019.3 では、NVDA 内部で使用しているプログラミング言語 Python の処理系の更新(Python 2.7 から Python 3.7 へ)を行い、また音声合成エンジンのドライバーの仕様を変更します。

今後、予定されている改良としては、例えば、コマンドプロンプトへの対応が改善され、日本語フォントに関する既知の不具合が解決する可能性があります。
Focus Highlight アドオンと同様な機能の追加も進められています。

本家 NVDA アルファ版スナップショットでは、すでにこれらの変更は行われており、基本的な機能が Windows 日本語環境でも動作するように、本家の開発に参加しています。
NVDA 日本語版は、新しい本家版 NVDA に基づいて開発を進めています。 現在は、日本語版独自の機能で大きな書き直しをした個所を確認したり、全体的な安定性の検証をしています。近いうちに NVDA 日本語アルファ版を更新する予定です。

今後リリースする予定の NVDA 日本語アルファ版は、NVDA 2019.3jp に向けた開発版となります。そのため、新しい仕様に対応していないアドオンが動作しません。

NVDA コミュニティの公式アドオンは、現在、新しい仕様に書き換える作業が進められています。お使いのアドオンが動作しない場合は、対応するまで 2019.2 系の NVDA をお使いいただくか、あるいはアドオンの最新版を入手してください。

日本語アルファ版は開発中のバージョンであるため、すべての機能が動作するとは限りません。また、翻訳ができていない箇所、動作が不安定な場合などがあります。お気づきの点があれば nvdajp@nvda.jp または nvdajp の GitHub issues にご報告ください。