NVDA ワークショップ・意見交換会 参加募集のお知らせ

NVDA ワークショップ・意見交換会 参加募集のお知らせ

オープンソースの Windows 対応スクリーンリーダー
NVDA (Non-Visual Desktop Access) の日本における開発者コミュニティ
NVDA 日本語チーム(代表 西本卓也)は、
2012年9月16日(日曜)と17日(月曜・祝日)の2日間、東京都品川区で、
海外からお招きする NVDA 開発者と日本の NVDA 利用者・開発者の交流イベント
NVDA ワークショップ (NVDA Workshop in Japan) を開催します。

英語が苦手なかたにも参加、ご発言いただける配慮を行います。
日本の NVDA ファンの声を開発者に伝えましょう。
みなさまのご参加をお待ちしております。

プログラムの一部は事前登録(有料)が必要です。
また、参加者向けメーリングリスト(後述)への登録をお勧めします。

NVDA ワークショップ公式サイト(日本語)
http://workshop.nvda.jp/about

連絡先メールアドレス
nvdajp@nvda.jp (NVDA日本語チーム 西本)

1. 概要

NVDA Workshop in Japan は、
オープンソースのプログラミング言語 Python の開発者に関する
日本最大規模のイベント PyCon JP 2012 の併催イベントとして行います。

PyCon JP 2012
http://2012.pycon.jp/index.html

PyCon JP 2012 は9月15日(土曜)から17日(月曜・祝日)の開催です。
9月15日と16日の PyCon JP 2012 プログラムへの参加には、
事前のチケット購入(3000円)が必要です。

PyCon JP への参加登録
http://2012.pycon.jp/registration/index.html

NVDA ワークショップでは、
9月16日午後(15時15分から18時30分)に4件の講演を行います。
9月17日午後(14時00分から17時00分)に「NVDA開発者と進める意見交換会」を行います。

2. 会場

会場は産業技術大学院大学(東京都品川区東大井一丁目10番40号)です。
最寄り駅はりんかい線「品川シーサイド駅」B出口(徒歩3分)です。

産業技術大学院大学
http://aiit.ac.jp/

3. 招待講演

NVDA 日本語チームは以下の皆様をこのワークショップにお招きします。
日本の NVDA 関係者にとって貴重な機会ですので、ぜひ参加をご検討ください。

3.1. Michael Curran 氏
NVDA の主要な開発者のおひとりで、オーストラリア NV Access Limited 代表です。

NV Access Limited
http://www.nvaccess.org/

3.2. Jerry Wang (王 建立) 博士
台湾 Taiwan Digital Talking Books Association 理事長として NVDA の普及活動や、
中国語など東アジア言語対応の開発を指導しておられます。

3.3. 河村 宏 氏
DAISY コンソーシアム 前代表、支援技術開発機構(ATDO)の副理事長として
「読書が困難な人々を支援する技術」の開発に取り組んでおられます。

DAISY コンソーシアム
http://www.daisy.org/

支援技術開発機構(ATDO)
http://www.normanet.ne.jp/%7Eatdo/about.html

4. 講演(9月16日)

4.1. プログラム(9月16日)

9月16日(日曜)は以下の4件の講演が行われます。

講演 1: NVDA: Open Source Screen Reader Written in Python
講演者: Mr. Michael Curran
NV Access Limited, creater and lead developer of NVDA

概要:NonVisual  Desktop Access (NVDA)の開発についてご紹介いただきます。
NVDA はフリーでオープンソースのスクリーンリーダーで、Microsoft Windows に対応しています。
NVDA の開発にはPythonプログラミング言語が使われています。
Michael Curran さんに、スクリーンリーダーを開発することの困難さ、
そしてなぜ Python 言語を選んだのか、NVDA がどのように開発されてきたのかを伺います。
言語:英語
時間:15時15分から16時00分(45分)、この講演後は45分のティーブレイクです。

講演 2: The Development and Promotion of NVDA in Taiwan
講演者:Dr. Jerry Wang
Taiwan Digital Talking Books Association

概要:Taiwan Digital Talking Books Association (TDTB) は
台湾において中国語ユーザーのためのNVDAの開発に取り組んでいます。
この講演では 王 建立 博士(Dr. Jerry Wang)に台湾における
NVDA の利用状況や中国語対応の開発プロジェクトについてご紹介いただきます。
言語:英語
時間:16時45分から17時10分(25分)

講演 3: NVDAの日本語対応の現状と課題
講演者:西本 卓也
NVDA日本語チーム代表

概要:日本では2010年からNVDA日本語版(nvdajp)を開発・公開してきました。
主な特長は、日本語の音声合成エンジンの追加、かな漢字変換の読み上げ、
点字ディスプレイへの対応などです。
この講演では、日本語のスクリーンリーダーに必要な機能の概要と、
NVDA日本語チームによる開発の現状を紹介します。
言語:日本語
時間 17時10分から17時35分(25分)、この講演の後で、10分間の休憩があります。

講演4: グローバルなオープンスタンダード技術によるインクルーシブな社会発展
講演者:河村 宏 氏
DAISY コンソーシアム 前代表
特定非営利活動法人 支援技術開発機構(ATDO)副理事長

概要:Digital Accessible Information SYstem (DAISY)  は
読書が困難な人々を支援する技術です。
DAISY コンソーシアムは国際標準規格DAISYの開発、保守、普及を行なう非営利の国際組織です。
この講演では河村氏にDAISYプロジェクトの経緯、そして、インクルーシブな社会発展のために
NVDA のようなオープンソース技術、オープンスタンダード技術がどのように貢献できるかをお話いただきます。
言語:日本語
時間:17時45分から18時30分(45分)

4.2. 参加方法(9月16日)

9月16日の参加には、PyCon JP 2012 のチケット(3000円)が必要です。
このチケットは PyCon JP の9月15日と16日のすべてのセッションで共通です。

PyCon JP 2012では、障がいをお持ちのかたお一人(正規入場者)に対して、
誘導者おひとりの入場を無料にしていただけることになりました。
事前申請が必要ですので、正規入場者のチケット番号をPyCon JP 2012事務局にお知らせください。

事前申請の詳細
http://bit.ly/O28SPr

5. 意見交換会(9月17日)

5.1. プログラム(9月17日)

NVDA開発者と進める意見交換会(2012年9月17日)

時間:14時00分から17時00分
進行:西本卓也(NVDA日本語チーム)

14時00分:開会のご挨拶
14時20分:NVDAの各国語対応の紹介と実演
14時40分:オープンセッション(1)日本語キーボード
15時00分:オープンセッション(2)日本語の文字と入力システム
15時20分:オープンセッション(3)日本語音声合成エンジン
15時40分:オープンセッション(4)日本語点訳システム
16時00分:フリートーク(終了予定 17時00分)

終了後、希望者による懇親会を予定しています。

5.2. 参加方法(9月17日)

9月17日(月曜・祝日)「NVDA開発者と進める意見交換会」への参加は無料です。
サポートを希望されるかたはNVDA日本語チーム nvdajp@nvda.jp にお早めにお知らせください。
また、情報共有のために事前のメーリングリスト登録(後述)をお勧めします。

6. スタッフ募集

ボランティアとして運営を支えてくださるスタッフも募集中です。
参加者の移動支援や受付、ライブ配信や撮影・録音・記録、
英語と日本語の翻訳などをお願いしたいと考えています。
やりたいことやお得意なこと、参加できる日や時間帯、視力の状況、
連絡先を nvdajp@nvda.jp にお知らせください。

7. 言語

海外からお招きするゲストの講演は英語ですが、そのほかは日本語で議論を行ないます。
参加されるかたは日本語で質問や発言ができます。
スタッフやボランティアが協力して、その場で翻訳してお伝えします。

8. メーリングリストのご案内

9月16日および9月17日のイベント参加者のためのメーリングリスト
nvdajp-wssanka を用意しました。
これは PyCon JP への登録手続きとは異なりますのでご注意ください。
このメーリングリストを通じて、参加されるかたに事前に内容をお知らせしたり、
会場へのアクセスなどをサポートします。
ボランティアのかたとも情報共有をしたいと思います。

nvdajp-wssanka メーリングリスト登録
http://lists.sourceforge.jp/mailman/listinfo/nvdajp-wssanka

9. 背景と目的

NVDA (Non Visual Desktop Access) はオープンソースのスクリーンリーダー
(視覚に障害がある人が音声や点字でコンピューターを操作するための支援ツール)で、
Python 言語で開発されています。

日本におけるNVDAのコミュニティは2010年頃から、日本の Python 開発者コミュニティの皆様の協力を得て、
NVDAを日本語で使うために必要な機能(音声合成、かな漢字変換、点字出力)の開発を行ってきました。

NVDA の開発母体である非営利組織 NV Access
は、東アジア言語拡張のプロジェクトを2012年5月にスタートしました。台湾と香港の団体の資金提供で、インプットメソッド(IME)対応の正式な開発が始まりました。
中国語、韓国語、日本語などのマルチバイト文字を処理する支援技術は、実装が複雑であるうえに、それぞれの言語に根付いた文化の影響を強く受けています。例えば、日本のスクリーンリーダーではユーザーが長年にわたってなじんだ日本語のかな漢字変換の読み上げ方法が使われています。また、日本の点字システムは世界から見ると非常に独特で、世界の多くの言語で利用されているオープンソース点訳ライブラリが日本語では利用できません。
東アジア言語の支援技術に関わる技術者やユーザーが、このような状況を相互に理解しあう機会をぜひ日本で設けたいと考えました。

もう一つの重要な課題は、寄付や募金に依存している NVDA プロジェクトを今後どのように支えていくかということです。
NVDA 日本語チームは日本における非営利の開発者グループとして、正式に発足したばかりの団体ですが、
この NVDA 東アジア言語拡張プロジェクトに開発メンバーとして関わるだけでなく、資金援助もしたいと考えています。
そのために、日本で、視覚に障害のあるかたの当事者団体や支援団体の皆様に、NVDA の開発がどのように行われているのか、NVDA
がいま世界でどのように普及しつつあるのか、知っていただきたいと考えています。

今回、DAISY プロジェクトに長いあいだ関わってこられた河村様のお話から、オープンな支援技術の開発プロジェクトが目指すべきもの、そしてプロジェクト持続の秘訣を学びたいと考えています。
アクセシブルな電子書籍の標準技術である DAISY
の理念は、「視覚に障害がある人が追加のコストを負担せずにコンピューターが使えるようにしたい」という NVDA の理念と重なります。

10. プログラム委員(NVDA日本語チーム)

西本 卓也
新城 直
高地 範弘
寺田 学

11. 謝辞

ご支援とご寄付をしてくださった方々のためのサイトを開設しています。

NVDA日本語チーム活動報告サイト
https://team.nvda.jp

12. 関連URL

NVDA日本語チーム
http://www.nvda.jp

NVDA日本語版(リリース版)は i.nvda.jp から直接ダウンロードできます。

開発スナップショットはダウンロードページで公開しています。
http://sourceforge.jp/projects/nvdajp/releases/

NVDA日本語チームによる日本語対応の要求仕様
http://sourceforge.jp/projects/nvdajp/wiki/JapaneseRequirements

NVDA日本語チーム 運営規約
http://sourceforge.jp/projects/nvdajp/wiki/JapaneseTeam